全うに生きたいスーパー社不

食事以外から始める、人生矯正術

これまで、食事を中心に、体の内側から美しくなるための方法を、色々と旅してきた。
でも、私たちの美と健康を語る上で、もう一つ、絶対に避けては通れない、巨大なテーマがある。
それは、私たちの体を、物理的に支え、そして、見た目の印象を大きく左右するもの。

そう、「姿勢」
そして、その姿勢の美しさを、根本から決めている**「呼吸」**について。

正直に言うと、私はひどい猫背だった。
デスクワークで一日中パソコンと向き合い、気づけば背中は丸まり、首は前に突き出て。そのせいで、慢性的な肩こりと頭痛に悩まされ、どんなにオシャレな服を着ても、なんだかパッとしない。実年齢よりも、いつも疲れて見えた。

「姿勢を良くしなさい」
子供の頃から、何度言われてきたか分からない、この言葉。
でも、意識して胸を張っても、数分後には元通り。もう、これは私の骨格の問題なんだって、諦めかけていたんだ。

でも、ある時、海外のモデルたちが、ピラティスやヨガといったボディワークに、あれほどまでに情熱を注ぐ理由を知った時、私は、自分の間違いに気づかされた。
美しい姿勢は、生まれつきの骨格じゃない。それは、日々の意識と、正しい呼吸法によって「再教育」できる、一つの「技術」だったんだ。


私がたどり着いた結論は、こう。
全ての美しさは「正しい呼吸」から始まる。息を制する者は、姿勢を制し、ひいては若々しさそのものを制する。

なんだか、武道の達人みたいな話になってきたな。
でも、これは、紛れもない事実。
私たちは、1日に約2万回も、呼吸をしている。その2万回の動きが、もし間違ったパターンで行われていたら、どうなるだろう。
それは、1日に2万回、自分の体を、自らの手で歪ませているのと同じこと。

逆に言えば、その2万回の呼吸を、体を整えるためのエクササイズに変えることができたら。
それは、24時間、常に専属のトレーナーが、自分の内側から姿勢を矯正してくれているようなもの。
これほど効率的で、パワフルな美容法が、他にあるだろうか。


じゃあ、その「正しい呼吸」とは、一体何なのか。
鍵を握るのは**「横隔膜(おうかくまく)」**という、肺の下にある、ドーム状の筋肉。

私たちが息を吸う時、本来なら、この横隔膜が下にグッと下がることで、肺が広がり、空気が入ってくる。そして、息を吐く時には、横隔膜が上に緩むことで、肺がしぼみ、空気が出ていく。
これが、深く、リラックスした、本来の呼吸。いわゆる「腹式呼吸」。

でも、多くの現代人は、ストレスや、長時間のデスクワークのせいで、呼吸がすごく浅くなっている。
横隔膜がうまく使えず、肩や首の周りの筋肉だけで、無理やり息を吸おうとする**「胸式呼吸」**が癖になってしまっているんだ。

この浅い呼吸が、万病の元。
肩や首の筋肉は、常に緊張状態で、ガチガチに凝り固まる。
背骨は丸まり、内臓は圧迫され、血流は滞る。
体は十分に酸素を取り込めず、細胞は酸欠状態に。その結果、代謝は落ち、疲れやすくなり、肌のターンオーバーも乱れていく。

「姿勢が悪いから、呼吸が浅くなる」んじゃない。
「呼吸が浅いから、姿勢が悪くなる」
この、コロンブスの卵のような事実に気づいた時、私の長年の悩みは、一気に解決へと向かい始めたんだ。


じゃあ、どうやって、その忘れてしまった「横隔膜呼吸」を、取り戻せばいいのか。
私が、ピラティスのインストラクターから教わった、すごくシンプルで、でも効果的な方法を、二つ紹介したい。

1.仰向け、膝立て、呼吸の観察

まず、仰向けになって、膝を軽く立てる。リラックスできる、一番楽な姿勢で。
そして、片方の手を胸の上に、もう片方の手を、おへその少し下に、そっと置く。

そこで、ただ、自分の呼吸を観察してみる。
息を吸った時、胸の手と、お腹の手、どちらがより大きく動いているだろうか。
理想は、胸の手はほとんど動かず、お腹の手が、風船が膨らむように、ゆっくりと持ち上がってくること。

もし、胸の手ばかりが動いているようなら、あなたは今、肩で息をしている証拠。
まずは、その事実を、ジャッジすることなく、ただ認識する。
そして、意識を、お腹の手に集中させる。
「息を吸う時に、このお腹の手を、天井に向かって持ち上げるように」
「息を吐く時に、そのお腹が、ゆっくりと背骨の方に沈んでいくように」

最初は、うまくいかないかもしれない。
でも、毎日、寝る前の5分間、これを続けてみてほしい。
だんだんと、脳と横隔膜の、忘れられていた神経回路が、再接続されていくのが分かるはず。

2.呼吸と連動する「胸郭(きょうかく)」の動き

横隔膜呼吸を取り戻せたら、次のステップは、「胸郭」、つまり肋骨(ろっこつ)の動きを意識すること。
美しい姿勢の持ち主は、この胸郭が、驚くほどしなやかに動く。

息を吸う時、肋骨は、ただ前に膨らむだけじゃない。
横にも、そして、背中側にも、360度全方向に、傘が開くように、ブワッと広がる。
この動きによって、肺は最大限にスペースを確保でき、より多くの酸素を取り込むことができる。

そして、息を吐く時。
その広がった肋骨が、中心に向かって、ゆっくりと、優しく閉じていく。
この時、腹筋、特にインナーマッスルである「腹横筋」が、コルセットのように、体幹をキュッと引き締めてくれる。

この、呼吸と連動した、胸郭と体幹の動きこそが、天然のコルセットを作り上げ、背骨をすっと長く、美しい位置に保ってくれるんだ。

この感覚を掴むための、おすすめのエクササイズは、「四つん這い」での呼吸。
四つん這いになることで、重力から解放されて、背中側にも呼吸を入れやすくなる。
息を吸いながら、自分の背中が、カメの甲羅のように、丸く、大きく膨らんでいくのを、意識してみる。
そして、息を吐きながら、その背中が、ゆっくりとフラットな状態に戻っていくのを感じる。

この、背中側が呼吸で動く感覚。
これが、美しい姿勢と、疲れ知らずの体を手に入れるための、本当に重要な鍵なんだ。


はい、今日のまとめ。

海外セレブたちが、ヨガやピラティスに時間を費やすのは、ただ体を鍛えるためじゃない。
それは、**「正しい呼吸法」**を学び、体の内側から、姿勢をデザインし直すための、最も効果的な方法だから。

  • 私たちの不調の多くは、肩で息をする**「浅い胸式呼吸」**から始まっている。
  • 目指すべきは、横隔膜をしっかり使った**「深い腹式呼吸」**。
  • そして、呼吸と連動して、胸郭が360度に広がり、閉じる感覚を、取り戻すこと。

この、1日に2万回行われる、無意識の習慣を変えること。
それこそが、どんな高級な服やアクセサリーよりも、あなたを美しく、そして若々しく見せてくれる、究極の自己投資になる。

じゃあ、また次の記事で。

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