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セレブの実践する食の哲学「マクロビ」とは?

【リライト後】

海外セレブたちの食生活を深く知るうちに、ある一つの大きな流れに気づかされる。
それは、彼女たちの興味が、単なるカロリー計算や、特定の栄養素を摂取するというミクロな視点から、もっと大きな、地球や自然との調和というマクロな視点へと移り変わっている、ということ。

その象徴とも言えるのが、今回話す**「マクロビオティック」**という食事法であり、生き方の哲学。
ポップスの女王マドンナが、長年そのライフスタイルを貫き、ツアーには専属のマクロビシェフを帯同させていた、という話はあまりにも有名。グウィネス・パルトロウもまた、その考え方に深く傾倒し、自身のライフスタイルに取り入れている。

正直に言うと、私はこの「マクロビオティック」という言葉に、ずっと苦手意識を持っていた。「玄米菜食」「禁止事項だらけ」「ストイックで、なんだか難しそう」。そんな、少し近寄りがたいイメージがあったから。

でも、その本質を学んでいくうちに、それが大きな誤解であったことに気づいたんだ。
マクロビオティックは、禁止事項でがんじがらめにするためのルールブックじゃない。それは、日本人が古来から大切にしてきた自然観に基づいた、すごくシンプルで、しなやかで、そして深く理にかなった、「心と体を整えるためのコンパス」のようなものだった。


私がたどり着いた結論は、こう。
マクロビオティックとは、食材が持つ「陰」と「陽」のエネルギーバランスを読み解き、自分自身を「中庸」の状態へと導くことで、心と体の調和を取り戻す、日本古来の叡智。

なんだか、少し哲学的な話になってきたな。
でも、これがマクロビオティックの核心。
何を食べてはいけない、という引き算の健康法じゃない。どうすれば、自然のエネルギーを最大限に自分の力に変えられるか、という足し算の、そして掛け算の思想なんだ。

その根底にあるのは、自然の一部として、宇宙のリズムと調和して生きる、という壮大な世界観。
だからこそ、常に目まぐるしい変化とストレスにさらされているセレブたちが、自分自身を見失わないための「揺るぎない軸」として、この哲学に惹かれるのかもしれない。


じゃあ、その壮大な哲学を、私たちはどうやって日々の食卓に落とし込めばいいんだろう。
マクロビオティックには、大きく分けて3つの基本原則がある。この3つを理解するだけで、世界の見え方が、少し変わるかもしれない。

原則1:「身土不二(しんどふじ)」
これは、「身体(身)と土地(土)は、切り離すことができない(不二)」という意味。
つまり、人間は、自分が生まれ育った土地の環境と、密接に結びついて生きている、ということ。
だから、その土地で、その季節に採れる「旬」のものを食べることが、自分の体にとって、最も自然で、負担が少なく、そしてエネルギーに満ち溢れている、という考え方。

例えば、夏に採れるきゅうりやトマト、スイカといった夏野菜は、火照った体を内側から冷やしてくれる力を持っている。
逆に、冬に旬を迎えるごぼうや人参、大根といった根菜類は、体を温め、厳しい寒さに耐えるための力を与えてくれる。

今、私たちはスーパーに行けば、一年中、世界中のあらゆる食材を手に入れることができる。
でも、真冬に、地球の裏側の暑い国から運ばれてきた、体を冷やす効果のあるトロピカルフルーツを食べることは、果たして私たちの体にとって、本当に自然なことだろうか。
マクロビオティックは、そう静かに問いかけてくる。

遠い国の、珍しいスーパーフードを探し求める前に、まず自分の足元を見る。
近所の農家さんが作った、泥のついた旬の野菜。それこそが、今の自分にとって、最高のスーパーフードなのかもしれない。

原則2:「一物全体(いちぶつぜんたい)」
これは、「一つのものを、丸ごとすべていただく」という考え方。
お米なら、ぬかや胚芽を取り除いた白米ではなく、丸ごとそのままの「玄米」を。
野菜なら、皮をむいたり、根っこや葉っぱを捨てたりせず、できる限り「丸ごと」いただく。

なぜなら、生命あるものは、それ一つで完璧なバランスを保っているから。
大根の葉には、根の部分にはないビタミンやミネラルが豊富に含まれている。
お米のぬかや胚芽にこそ、食物繊維やビタミンB群といった、私たちに必要な栄養素が詰まっている。
皮と実の間、ヘタや種。普段、私たちが何気なく捨ててしまっている部分にこそ、生命のエネルギーが凝縮されているんだ。

一つの命を、余すところなく、感謝していただく。
それは、食材の栄養を最大限に摂るという合理的な知恵であると同時に、生命に対する敬意の表れでもある。すごく、日本的な美しい考え方だと思わないかな。

原則3:「陰陽調和(いんようちょうわ)」
そして、これがマクロビオティックの最も特徴的で、核心となる考え方。
東洋思想の根幹をなす「陰陽」の概念を、食事に応用したもの。

全ての食材、そして調理法には、体を「冷やし、緩める」働きを持つ**「陰性」のエネルギーと、体を「温め、引き締める」働きを持つ「陽性」**のエネルギーがある、と考える。

  • 陰性の食べ物
    • 気候:暑い土地で採れるもの(例:バナナ、パイナップル、コーヒー、スパイス)
    • 成長方向:上に向かって伸びるもの(例:葉物野菜、きゅうり、トマト)
    • 特徴:水分が多く、柔らかく、色が青や白、紫のもの。
    • 働き:体を冷やし、緩める。
  • 陽性の食べ物
    • 気候:寒い土地で採れるもの(例:りんご、そば)
    • 成長方向:下に向かって伸びるもの(例:ごぼう、人参、自然薯)
    • 特徴:水分が少なく、硬く、色が赤やオレンジ、黒のもの。
    • 働き:体を温め、引き締める。

そして、私たちの体質そのものにも、陰陽がある。
例えば、冷え性で、どちらかというと内向的な人は「陰性」に傾いているかもしれない。
逆に、暑がりで、常にエネルギッシュな人は「陽性」に傾いているかもしれない。

マクロビオティックの目的は、この陰と陽、どちらが良いとか悪いとかではなく、そのバランスをとって、心と体が最も安定する**「中庸(ちゅうよう)」**の状態を目指すこと。
例えば、陰性体質で冷えに悩んでいるなら、体を温める陽性の根菜類や、塩を少し効かせた調理法を取り入れてみる。
逆に、体に熱がこもってイライラしやすい陽性体質の人は、体をクールダウンさせてくれる陰性の葉物野菜や、果物を少し摂って、バランスをとる。

調理法にも陰陽がある。
生で食べたり、蒸したりするのは陰性。
圧力をかけて炊いたり、じっくり煮込んだり、オーブンで焼いたりするのは陽性。

この陰陽のコンパスを手にすることで、私たちは、その日の気候や、自分の体調に合わせて、食べるべきものを自分で選べるようになる。
「なんだか今日は気分が晴れないな」と感じる日は、もしかしたら陰性の食べ物に偏りすぎているのかもしれない。
そんな風に、自分の心と体の声に耳を澄ませるきっかけを、マクロビオティックは与えてくれるんだ。


でも、正直に言って、これを100%実践するのは、現代の生活では、すごく難しい。
だから、私も、ストイックにやるのは、とっくにやめた。
その代わり、この美しい哲学のエッセンスを、自分の生活に、心地よく取り入れる「ゆるマクロビ」を実践している。

私が、まず始めたのは**「お味噌汁を、毎日飲むこと」**。
お味噌汁って、実は完璧なマクロビオティックスープなんだ。
旬の葉物野菜(陰性)と、根菜(陽性)を入れ、発酵食品である味噌(中庸に近い)で調和させる。そこに、わかめ(陰性)や豆腐(陰性)を加えれば、まさに小さな宇宙が完成する。
まず、この一杯を、自分の体の軸にする。

そして、主食を、白米から「玄米」に変えてみた。
最初は、少し食べにくいと感じたけど、よく噛むことを意識するようになった。100回噛むのが理想らしいけど、私は30回くらい。でも、それだけでも、満腹感が全然違うし、お米の甘みを、初めてちゃんと感じられた気がする。

調味料を、少しだけ見直してみる。
精製された食卓塩を、ミネラル豊富な「自然塩」に。
白砂糖を、メープルシロップや米飴に。

完璧じゃなくていい。
でも、昨日より今日、今日より明日、少しだけ自分の体が喜ぶ選択をしてあげる。
その積み重ねが、きっと、穏やかで、揺るがない心と体を作ってくれると信じている。


はい、今日のまとめ。

海外セレブが惹かれる「マクロビオティック」。
それは、禁止事項だらけの厳しい食事法ではなく、自然の摂理に寄り添い、自分自身の心と体の声を聞くための、美しい「コンパス」。

その基本となるのは、

  • 「身土不二」:その土地の、旬のものをいただく。
  • 「一物全体」:命を、丸ごといただく。
  • 「陰陽調和」:体を冷やすものと、温めるもののバランスをとる。

この3つの考え方を、少しだけ意識してみる。
まず、いつもの食事に、具沢山のお味噌汁を一杯プラスするところから。
それだけで、あなたの体は、きっと何か応えてくれるはず。

じゃあ、また次の記事で。

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